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2019.03.06 Wednesday

相続欠落と相続廃除

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    JUGEMテーマ:相続

    今回は相続欠落と相続廃除について。

    1,相続欠落とは
    民法891条に規定されている不正な事由が認められた場合に、そのものの相続権を失わせる制度です。
    民法891条は以下の通りです。

    第891条
    次に掲げる者は、相続人となることができない。
    一  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
    二  被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
    三  詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
    四  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
    五  相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者


    この一〜五がそれぞれ、欠落事由にあたります。

    そして、この欠落事由に該当すると特段の手続なしで当然に相続人になることができません。



    2,相続廃除とは
    相続廃除は民法892条に規定されています。

    民法892条は以下の通り。
    遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。


    相続欠落は一定の事由によって当然に相続人になることができなくなりますが、相続廃除の場合は被相続人の意思で推定相続人の相続権を奪う制度です。
    廃除の対象になるのは「遺留分を有する推定相続人」で兄弟姉妹は遺留分を有さないので廃除の対象になりません(面倒な廃除の手続きをしなくても、兄弟姉妹には遺産を相続させない旨の遺言を書けば目的は達せられる)。

    廃除の手続きは2つの方法があります。
    1,生前に被相続人が家庭裁判所に廃除の申立をする。
    2,被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示し、遺言執行者が被相続人の死亡後に家庭裁判所に廃除の申立をする。

    いずれも家庭裁判所の判断を仰ぐことになるので、キチンとした証拠が必要になるということです。

    なお民法894条で、被相続人はいつでも推定相続人の廃除の取り消しを家庭裁判所に請求することができ、遺言によることもできます。

    相続欠落も相続廃除も代襲相続は認められているのが、相続放棄との違いになります。



    ※、ところでちょっと古い小説ですが、夏樹静子の「Wの悲劇」という作品が有って、推理小説のネタバレなので詳しい内容は避けますが、この相続欠落の規定を活かした設定が光ります。

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