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2018.11.01 Thursday

「 民法改正における自筆証書遺言の変更点」の1

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    JUGEMテーマ:相続

    遺言には大きく分けると、普通方式と特別方式の2つがあります。このうち、特別方式は緊急時遺言と隔絶地遺言がありますが、これは名前の通り特別な場合にのみ使うので、ここでは触れません。

    普通方式には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つの方式があり、秘密証書遺言はほとんど使われていないみたいなので、ここでは
    1、公正証書と秘密証書遺言の違い
    と、
    2,今度の民法改正での自筆証書遺言の変更点
    をまとめました。

    なお、変更点の方ですが、以前の記事に書いたうちの
    2,自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能になる。 3,法務局で自筆証書による遺言書が保管可能になる。

    の2つがあります。この記事では2を説明します。


    1,自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
    まずは現状(改正民法施行前)の2つの遺言の違いについて。
            
    種類 自筆証書遺言 公正証書遺言
    費用 基本は無料(用紙代程度) 有料。公証人手数料及び証人2人を頼む(礼金)、行政書士などへの報酬
    作成 自分で作成 公証人が作成
    安全性 紛失、不備で無効になる可能性あり 原本を公証役場で保存。十分な打ち合わせあり、不備は発生しにくい
    死後の検認手続 必要 不要


    以上が大体の違いになります。
    公正証書遺言の場合は、作成するにあたり、公証人と十分な打ち合わせを行いその上で作成するので、かなりの時間と手間と費用が発生します。まったく法律的な知識が無いと、そもそも公証人と打ち合わせもままならない場合が多いので、そうした時には行政書士や司法書士、税理士などの専門職を間に挟んだ方が良い結果に繋がりますが、もちろん専門職に対する報酬も発生します。

    その代わり、出来た遺言は原本が公証役場に保存されるので、紛失の心配が不要。不備があって無効になる可能性を考えなくて良い。家裁での検認が不要。などの利点もあります。
    また、自筆で遺言を作成できない人も公正証書ならば作成可能。
    きちんとした遺言を作りたい方、相続人間で対立が予想される場合は公正証書遺言がおすすめです。

    対して、自筆証書遺言の場合は(現行では)すべての文章を自分で書かなくてはなりません(自筆)。そのため、不備が有った場合は揉める元になりかねません。

    本人としてはお手本をネットから取得したり、本を買ったりして、それを引き写したつもりでも、例えば銀行預金口座の番号が間違えていた、住所の記載が間違えていたりあやふやだった、そもそも漏れがあった、など。

    そして、書いた遺言は封筒に入れて封をして保管するのですが、本人しか開け方を知らない金庫の奥などに仕舞って、存在を家人に言ってなかったために発見されなかった、害意のある人間に発見されて改竄、破棄されたなどの危険もあります。

    さらに発見後に家庭裁判所で検認という作業を受けなくてはならないという手間も相続人に発生します。検認するためには推定相続人を確定するため、戸籍等を揃えなくてはならないのですが、これが結構大変。
    特に推定相続人の中で亡くなった方がいて代襲相続が発生していたりするとかなりの手間です。

    但し、利点として気軽に自分の好きなタイミングで書ける、費用が掛からない、誰にも関与されないし、秘密理に書くこともできる、などがあります。更に、本来は遺言事項ではない、自分の思いを家族に伝えるという機能をもたせることが出来ます。

    これは、かなり昔の話しになりますが、叔父が亡くなったときに、自筆証書遺言を残していたのですが、「不動産及びすべての動産を妻に譲る」と有りました(子供が居ない夫婦でした)。それだけで、財産のうち、銀行預金をどうするのか抜けていました。銀行預金は債権にあたりますので、”すべての動産”には含まれません。

    結局、叔母の兄弟が銀行と交渉して、すべての財産を叔母が相続できるように手続きしましたが、かなり大変だったようです。

    2,自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能になる。
    さて、今回の改正(2019年1月13日より有効)で、これまでのすべてを自筆でという決まりから、具体的な不動産や預貯金などを記載する財産目録の部分はパソコン書きや代筆が認められるようになりました。
    高齢者にとっては、この目録を自筆する、というのがかなり大きな負担になっていたということで、より自筆証書遺言を使いやすくする改正です。

    なお、目録のすべてのページに署名押印が必要ですが、遺言全体を自筆で書くことに比べればかなりラクになります。
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