<< ご挨拶 | main | 配偶者居住権についての続き >>
2018.11.01 Thursday

民法の相続制度の改正について

0

    JUGEMテーマ:相続



    民法改正について感じること



    母が認知症で施設に入ってからすでに長く、病状も少しずつ進行していて、もういつその時がくるのか、覚悟をしておかなくてはならない状況にあります。
     
    母が亡くなった場合、相続人は私と弟の二人。
    父が亡くなったときには、特に揉めずにすんなりと手続きができましたが、専門家を雇えるほどの余裕はなく、結局は私が7割、弟が3割程度の作業をして(母はもうあまり作業ができるような状態でなかった)、けっこうたいへんであったのを記憶しています。

    その後遺産相続のルールが変わっているので、今度は前もってある程度の予習をしておこうというのが、この記事を書こうと思い立った理由です。
    私は大変にズボラな性格なので、こうしてアウトプットしていくという眼の前の目標がないと、結局はインプットもサボってしまうのは目に見えているのです。

    そういう訳で、もし間違えていた場合は責任は取れませんので、あくまでも自己責任でお読みください。
    正確な内容については、法務省の記載を確認してください。



    改正の概要


    まず、今回の大改正の内容ですが、2018年3月13日に閣議決定。7月6日に成立しました。施行日については、基本は1年以内ですが、例外的に今回の改正でも幾つかの日付はもっと遅くなるようです。
    具体的な日付は政令が出た時点で、ネット等でも告知されるはずです。

    今回の大改正でのポイントは以下の通り。

    1,配偶者居住権を創設。

    2,自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能になる。

    3,法務局で自筆証書による遺言書が保管可能になる。

    4,非相続人の介護や看病で貢献した親族は金銭要求が可能になる。

    こんなところらしいです。




    これを一つずつ見ていきたいというのが、今回のシリーズの趣旨です。



    まずは配偶者居住権
    これは配偶者(奥さん)が相続開始時に被相続人(亡くなった人=旦那さん)が所有する建物に住んでいた場合は、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができる権利です。
    これまでは居住権という概念がなくて、亡くなった人の家に住み続けるためには、その家を奥さんが相続する必要がありました。

    現代日本の一般的な家族というのは、財産を金銭で持っている場合が意外と少なくて、不動産になっているという場合がかなり多かったようです。



    私の父の場合もそうですが、亡くなったときに資産らしい資産といえば、不動産(そのときに住んでいた持ち家と土地)で銀行預金はあまり無く、その他の資産もありませんでした。
    年金を貰った分だけ使い切って生活していて、預金などはなかったのですね。若い頃は自営で普通のサラリーマンよりかなり稼いで居たはずなのですが、身体を壊してからも仕事にこだわってタコ足のように事業を継続し、なおかつ、父も母もけっこうな浪費家だったということもあって金銭を残すという点に関しては上手ではなかったといえます。
    まあ、借金を残さなかっただけでも上出来だったと思わなきゃ、ですが。



    こうした家庭の場合、単純に奥さんと子供で半々に相続するとします。奥さんがが持ち家を相続すると、残りの銀行預金などは全部子供の方に行って、全然手持ちの現金を持たないという状況になってしまいます。
    そもそも、持ち家などは名義が100パーセント被相続人であっても、夫婦で協力してローンを返してきた、という場合が多くて、それを奥さんが相続すると暮らせなくなるというのは、理不尽だと思われます。
    相続税の部分では、こうした相続の場合、奥さんの支払う税金はかなり優遇されていて、事情が考慮されていますが、相続の制度の部分ではそうした考慮はありませんでした。



    今回の改正では、被相続人が持っていた家を所有権と居住権に分けて、所有権(居住権という負担がついた所有権)は息子に、居住権を奥さんに渡すという処理が可能になりました。

    居住権だけだと、これまでのような完全な所有権に比べて評価額がかなり低くなるので、現金預金の部分で奥さんの手元に残るものができるので、生活が安定する。
    こういう前提で作られた制度です。



    別に子供が負担付所有権という形で家を相続するのではなく、完全な所有権で家を相続しても、そこに奥さん(子供から見てお母さん)を住まわせておけば良いだけの話なのですが、残念ながら子供が所有権を持つと、母親を追い出しにかかるケースがあります。
    また逆に子供が家の所有権云々には手を出さずに現金預金だけ相続して、お母さんの生活の面倒を見れば良いのですが、これもやはり、この先のお金を出し渋るケースが……。

    結局、日本が落ちぶれて、子供世代で親の面倒を十全に見られるほどの経済的な余裕を持っている人が少ない……ということなのでしょう。



    この制度はあくまで、「権利」であって義務ではないので、これを使ったほうが都合が良い場合に使えば良いだけの話で、使わないほうが都合が良い、または使うケースではないという場合は、別に使わなくても構いません。

    今回はここまで。





    コメント
    コメントする