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2018.11.13 Tuesday

遺産分割協議書とは

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    JUGEMテーマ:相続



    遺産分割協議書の概要


    遺産分割協議書とは、被相続人の死後、遺言書が無かった場合、相続人全員の合意により相続財産をどう分けるかについて合意した内容を書面に取りまとめたものです。
    この書面によって不動産の相続登記、預貯金・株式・自動車などの名義変更などの手続きを行います。


    この記事では、遺産分割協議書の作成の際に気をつけることなどをまとめてみました。
    実際の協議書作成はネットで検索すると沢山のサンプルがありますので、それを参考にするか、行政書士などの専門職に作成を依頼すれば良いでしょう。
    なお、遺産分割協議書には決まった書式は無いので法務省、法務局ではひな形を作っていないようですので(登記申請書、相続関係説明図などの雛形はありました)、弁護士さん等のサイトで御覧ください。




    遺産分割協議書の注意点


    さて、前述の遺産分割協議書の概要についての項目で「被相続人の死後、遺言書が無かった場合、相続人全員の合意により相続財産をどう分けるかについて合意した内容を書面に取りまとめたもの」と書きました。
    その項目を細かくみてみましょう。


    1. 被相続人の死後

    2. 遺言書が無かった場合

    3. 相続人全員

    4. 合意

    5. 相続財産


    以上の項目のすべてが確定する必要があります。
    これらを個別にみていきましょう。


    相続人の死後


    被相続人が亡くなり、遺産相続が発生してから作成すべきものです。もっとも、長患いの場合などは相続人同士で前もってある程度のことを話し合っておく、というようなことは当然有るでしょうが、協議書の日付を相続発生前にはできません。


    遺言書が無かった場合


    基本的には、遺言書があれば遺言書に従い、ない場合は遺産分割協議をするというのが順序です。
    しかし、相続人全員の合意があれば、遺言と異なる遺産分割協議をすることは許されます。
    この場合は、遺言執行人が指定されている場合や、遺贈などがあって第三者が関係してくる場合などは慎重な検討が必要です。


    相続人全員


    相続人を確定するには、戸籍謄本等の確認が必要で、これがかなりの手間になります。しかし、確認せずに「私と弟だけが相続人だ」と簡単に決めつけて遺産分割協議書を作成した後で隠し子が出てきた場合などは、すでに作成した協議書自体が無効になります。
    そのため、相続の実務としてはまずは相続人の調査、特定が必要です。
    いずれにしろ、不動産登記の変更などの際にも戸籍謄本等一式は必要となるので、それを集めるのは必ず必要な作業になるでしょう。


    合意


    確実に相続人全員が合意したという証明に遺産分割協議書には実印を押印して印鑑証明書を添付して、一式で使用することとなります。


    相続財産


    相続財産が何かを確定しなくてはなりません。


    例えば不動産の場合、複数を所有していた場合にはどこの土地なのかを明確に分かるように記載する必要があります。また、遺産分割協議書には地番、家屋番号で書かなくてはなりませんが、これは住居表示の住所とは違いますので、法務局で確認する必要があります。


    銀行預金などは「債権」になります。よくある間違いに「〇〇の不動産及び動産のすべてを☓☓が取得する」とのみ書かれていて、銀行預金が書かれていない場合があります。
    この場合、銀行預金は債権なのでこの遺産分割協議書では名義を変更することができません。
    更に、具体的な金額が書かれた場合、成立までに預金残高が変動していた場合にはその差額をどうするか、銀行側では判断できず、名義変更ができない場合があります。
    基本的に被相続人の死亡が確認された段階で預金は凍結されるので(現状。平成30年民法改正で預金の仮払い制度ができて若干変わります。)、後で足りなくなる場合は無いでしょうが、何らかの理由でそうなった場合には問題が生じる可能性があります。


    遺産分割協議が整わない場合


    各相続人の合意ができず、遺産分割協議が整わない場合は、家庭裁判所に申し立てて、「調停」を行います。それでもまとまらない場合は「審判」を仰ぐこととなります。


    「調停」では、弁護士を立てている場合でも聞き取り調査は相続人本人に対して行われ、合意が成立すれば「調停調書」が作成されます。
    この「調停調書」は確定判決と同等であり、不動産の相続登記などでも手続きが可能です。


    調停が不調の場合は、審判手続きに移行します。
    審判手続きでは、期日に相続人全員が裁判所に集まり、裁判官が進行して手続きをしていきます。
    最終的には裁判官が職権で証拠尋問、証拠調べ、相続人や相続財産の確定を行い、分割方法について決定し、審判書を出します。
    それでも納得ができない場合は、今度は高等裁判所に即時抗告をする……という流れになります。


    「審判」「調停」については、自身で聞き取り調査などを受けるにしても、弁護士を依頼して当たったほうが良いでしょうね。





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